放課後等デイサービス 児童発達支援 運動学習教室クォーレグループ
広島古市教室 です。

子どもたちは、日々の生活の中でさまざまなことを感じ、考え、自分なりの方法で気持ちを表現しています。

楽しかった出来事を一生懸命に話してくれることもあれば、嫌だったことや困ったことを伝えようとすることもあります。また、自分の気持ちをうまく言葉にできず、断片的な言葉や行動で表現することもあります。

私たち大人にとって大切なのは、子どもの言葉をただ聞くことだけではなく、その言葉の背景にある気持ちや思いにも目を向けることです。

今回は、療育における「子どもの話を聴く」ということについて考えていきます。

「聞く」と「聴く」の違い

子どもの話を聞くことと、子どもの話を聴くことには、どのような違いがあるのでしょうか。

例えば、子どもが「今日、学校で嫌なことがあった」と話してくれたとします。

そのとき、「そうなんだ」「大変だったね」と返事をするだけでも、子どもの言葉を受け止めることはできます。

しかし、もう一歩踏み込んで、「何が嫌だったの?」「どんな気持ちになったの?」と、子どものペースに合わせて話を聴くことで、子どもが何に困り、どのような思いを抱えていたのかが見えてくることがあります。

もちろん、すべての子どもが自分の気持ちを詳しく話せるわけではありません。質問に答えることが難しい子どももいれば、話したくない気持ちを抱えている子どももいます。

大切なのは、すぐに答えを求めたり、大人の考えを押しつけたりするのではなく、「あなたの話を大切に受け止めたい」という姿勢を示すことです。

子どもの言葉の背景にある気持ちを考える

子どもが発する言葉には、その子なりの理由や背景があります。

例えば、「もうやりたくない!」という言葉の裏には、失敗して悔しい気持ちや、思うようにできないもどかしさ、疲れなどが隠れているかもしれません。

また、「先生なんて嫌い!」という言葉も、本当に相手を嫌っているということだけではなく、自分の気持ちを分かってもらえなかった悲しさや、不満の表れである可能性があります。

このような場面では、言葉だけを捉えて注意するのではなく、「何があったのだろう」「どんな気持ちだったのだろう」と考えることが大切です。

ただし、大人が子どもの気持ちを決めつけてしまうことにも注意が必要です。

「悔しかったんだね」と伝えても、子どもが「違う!」と答えることもあります。そのときは、大人の解釈を押し通さず、子ども自身の言葉や反応を尊重しましょう。

子どもの気持ちを理解するためには、言葉だけでなく、表情や声の調子、行動、周囲の状況なども含めて、一人ひとりを丁寧に理解していくことが求められます。

子どもが話しやすい環境をつくる

子どもが安心して自分の思いを伝えるためには、話を聴く大人の関わり方も重要です。

例えば、次のようなことを意識してみましょう。

① 子どもの話を途中で遮らない

話がまとまっていなくても、すぐに訂正したり、結論を急いだりせず、まずは最後まで聴くことを意識します。言葉を探しているときには、急かさずに待つことも大切です。

② 子どもの目線やペースに合わせる

大人が忙しそうにしていたり、別の作業をしながら返事をしたりすると、子どもは話を聴いてもらえていないと感じることがあります。可能な範囲で手を止め、子どもに意識を向けましょう。

ただし、目を合わせることが苦手な子どももいます。無理に目を合わせることを求めず、その子が安心できる距離や姿勢で関わることが大切です。

③ すぐに否定や評価をしない

「そんなことで怒らないの」「それはあなたが悪いよ」と、話の途中で評価してしまうと、子どもが自分の気持ちを伝えにくくなることがあります。

まずは「そう感じたんだね」「そういうことがあったんだね」と、子どもの話を受け止めるところから始めましょう。必要な振り返りや行動の修正は、気持ちを受け止めたうえで行います。

④ 言葉以外の表現にも目を向ける

自分の気持ちを言葉で説明することが難しい子どもには、絵カードや写真、選択肢などを活用する方法もあります。

言葉で話すことだけを求めず、その子に合った伝え方を見つけることも、話を聴くための大切な工夫です。

「聴いてもらえた」という経験が安心感につながる

自分の話を受け止めてもらう経験は、子どもにとって大きな意味を持ちます。

自分の気持ちを否定されずに聴いてもらうことで、「自分の思いを伝えてもいいんだ」「困ったときには相談してもいいんだ」という安心感につながります。

そして、その安心感は、自分の気持ちを言葉にする力や、相手に思いを伝える力を育む土台にもなります。

療育では、子どもに必要なスキルを教えたり、望ましい行動を身につけられるよう支援したりすることが大切です。しかし、その前提として、子どもが何を感じ、何に困っているのかを理解しようとする姿勢を忘れてはいけません。

子どもの話を聴くことは、単に情報を集めることではなく、その子自身を理解しようとすることでもあります。

まとめ

子どもの話を「聴く」ということは、言葉の内容だけでなく、その背景にある気持ちや思いにも目を向け、一人ひとりを理解しようとすることです。

すぐに解決策を提示することが、必ずしも最善とは限りません。ときには、じっくり話を聴き、気持ちを受け止めるだけで、子どもの心が落ち着くこともあります。

私たち大人が子どもの声に耳を傾け、安心して自分を表現できる関係を築いていくこと。その積み重ねが、子どもの成長を支える大切な土台となります。

日々の関わりの中で、子どもが発する小さな言葉やサインを大切にしながら、一人ひとりの思いに寄り添った支援を心がけていきましょう。

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